前章では、SDカードにインストールしたSCORER SDKの設定ファイルにWiFi情報を追記して、PCのブラウザからラズパイへリモート接続してSCORER Camera Controlへアクセスしました。
第3章ではSCORER Camera Control(以下、SCC)の設定各項目の説明と設定変更によってラズパイのUSBカメラの表示がどう変わるかをデモンストレーションします。
第2章から引き続きで、SCORER Camera Controlにアクセスした状態にして下さい。
1. Webカメラ画面とCamera Typeについて
お使いのPCのブラウザにてSCCにアクセスすると以下のような画面が表示されます。
SCC上部にカメラから映し出される画像が表示されます。画像の右端には最後に画像をカメラから取得した最終時間が”年月日 時分秒”形式で表示されます。画面はおよそ3秒毎に更新されます。後述するConfigurationやCamera Propertiesにて設定を変更するとこちらの画像が変化します。
Status & Turn ON/OFFボタン
- Status :カメラのON/OFF状態を表示します。”TURN OFF”ボタン(赤背景)を押下すると”OFF”に、”TURN ON”(青背景)を押下すると”ON”になります
Camera Type
本スターターキットにはHVCカメラは付属しませんので”USB”が選択された状態にして下さい。
HVCカメラについては別の章を設けてお伝えする予定です。
- USB/HVC:USBカメラかHVCカメラを利用するか選択します。
2. Configuration
ここからはConfigurationについて解説します。こちらでは、カメラからの映像の出力方法、検知機能選択、解像度切り替え、音声取得の有無選択、画像動画の取得有無選択、ライブ放送を行う際の設定を行います。また、設定の反映と元の設定に戻すボタンがあります。
Apply Now、Reload Current Configuration
Configuration内の設定を記録したり、設定の状態を元の戻したりします。
- Apply Now:Configurationで設定した値を画像に反映します
- Reload Current Configuration:変更した設定を”Apply Now”押下直後の状態に戻します
Detection Method
利用するカメラ検知機能をを選択します。検知機能のデモンストレーションは別の章を設けてお伝えする予定です。
- Face Detection :顔の表情や視線などを検知します
- Motion Tracking :頭と両肩を起点とした動きを検知します
- Car Tracking :車両の背面を検知します
- QR Tracking :QRコードを検知します
- AR Tracking :ARコードを検知します。現状ArUcoライブラリ準拠のコードを検知します
- None :上記のカメラ検知機能を使用しない場合はこちらを選択して下さい
Audio
カメラについているマイクの機能のON/OFFを選択します。
- Audio Capturing ON/OFF:“On”にした場合は動画MP4ファイルに音声データも入ります。また、Audio Deviceメニューが表示されます。”Off”にした場合は動画に音声が入りません
Audio Device
使用する音声入力装置とサンプリングレートを設定します。
- Audio Device:使用する音声入力装置をプルダウンメニューより選択して下さい
- Saling Rate:選択出来るサンプリングレートの値はお使いのカメラによって異なります
Recording
カメラから画像・動画をクラウドへの保存有無を選択します。クラウド上でのデータ確認はSCORER Management Consoleを使用します。こちらは第4章で詳しく解説します。
Streaming
ニコニコ動画、Ustream、YouTube等の動画配信サービスにてインターネット上でライブ配信を行う際に使う設定項目です。
- Periodic Camera Image :“On”にすると画像が定期的にクラウドへ保存されます
- Video Streaming :動画配信サービスに動画をライブ配信を行う際には“On”にします。”On”にするとLive Stream Methodのメニューが表示れます。
Live Stream Method
ライブ配信の方式をRTSP、RTMP、RTPの3種類を選択します。それぞれを選択するとライブ配信に必要な値が表示されます。Streamingライブ配信のデモンストレーションは別の章を設けてお伝えする予定です。
Video Flipping
カメラ画像の回転・反転を設定をします。
- None = カメラのそのままを状態を映し出します
- Rotate-180:画像を上下逆さまにします。使用例としては天井にカメラを吊るしてカメラ自体の向きが天地逆になった時などに使用します
- Clockwise:画像を右90度回転します
- Counterclockwise:画像を左90度回転します
- Horizontal-flip:画像を左右反転させます
- Vertical-flip:画像を上下反転させます
- Upper-left-diagonal:画像を左90度回転して上下反転しにします
- Upper-right-diagonal:画像を右90度回転して上下反転しにします
Resolution
画面の解像度を選択します。お使いのカメラによって初期値は変わってきます。
- HD(1280x720):HDの場合はFace Detection(顔認知機能)はご利用になれません。もしFace Detectionを選択した状態でHDを選択すると下記のようなウィンドウが表示されます。
また、Face Detection以外の検知機能を選択して多彩にHDを選択すると下記のようなメッセージウィンドウが表示されます。HDを選択すると検知機能の処理に遅れが出ますのでご注意下さい。
- VGA(640x480)
- QVGA(320x240)
3. Camera Properties
画面の明るさ・色合いなどの表示内容を設定します。初期設定はカメラ自身が内蔵している初期値を元にSCORER Camera Control上で設定されます。また表示される値と最大・最小値もカメラが持つ性能や仕様によって異なります。
値はツマミを左右にマウスで移動させるか、数字をクリックして直接数字を打ち込む事も可能です。画像の表示内容は値の変更直後に反映されます。
以下のデモンストレーション用スクリーンショットはスターターキットに付属しているBuffalo製のBSWHD06Mを使用時によるものです。
- BRIGHTNESS :明るさを調整します。右が最小値、左が最大値の例です
- CONTRAST :明暗の差を調整します。左が最小値、右が最大値の例です。
-
SATURATION :色の鮮やかさ(彩度)の強弱を調整します。左が最小値、右が最大値の例です
- GAMMA:画像階調の応答特性を調整します。左が最小値、右が最大値の 例です
- HUE:色合いを調整します。左が最小値、右が最大値の例です
- SHARPNESS :輪郭の強弱を調整します。左が最小値、右が最大値の例です
SAVE、Set Auto
Camera Propertiesにて設定した値をラズパイに記録を行ったり、カメラの固有の初期値に戻したりします。
- Save:現在のCamera Propertiesの値をラズパイに記録します。以後、ラズパイを起動した際の初期値は前回”Save”を押下した際の値になります
- Set Auto:カメラ固有の初期値に戻します。画面上の以下のメッセージが出ますので、一度ラズパイを再起動しSCCに再アクセスして下さい。
4. Recent Activities
ラズパイがONの時に使用中のログが出力されます。約1分弱毎に追記されて行きます。
以上でSCORER Camera Control各機能の説明は終了です。
次章ではSCORER Management Console(SMC)への登録とSMCから動画スナップショットログをダウンロードのデモンストレーションを行います。